わかりやすい解説ってないかな?
この記事は、そんなあなたに向けて書いています。
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そんなあなたは、もしかしたら共依存かもしれません。
共依存は一見理解しづらい言葉です。
また、共依存の状態になっていると、自分ではそれが異常であることに気がつきません。
そのため、この記事では、主に以下のことについて解説しています。
・「共依存」についてのわかりやすい解説
・「共依存」になっていないかをチェックするための特徴リスト
(参考書籍:伊東明『恋愛依存症』)
共依存になってしまうと、辛い恋愛から抜け出せなくなってしまいます。
心当たりのある人は、「共依存からの脱出法」も含めて、しっかり知識をつけておきましょう。
共依存とはそもそもなにか?
わかりやすく解説
共依存をひとことで表すと、以下のとおりです。
「依存してくる人に依存している状態」
別の言い方をすれば、
「男女がお互いに依存している状態」
とも言えます。
アルコール依存の男とその彼女(妻)を例に取ってみましょう。
アルコール依存の男は、酒びたりです。
そのため、仕事もままならない状態。
もしパートナーとなる女性がいるなら、本来は放っておくのが、彼のため。
ですが、彼女は経済的な援助をして、酒を買い続けることを可能にしてしまう。
アル中の男なんて、別れた方がいいに決まってます。
では、なぜ彼女はそんな男と別れないのでしょうか?
それは、彼女が「必要とされること」を必要としているからです。
「必要とされることを必要としている」。
これだけではまだボヤっとして感じるかもしれませんね。
次は「共依存者」の特徴について解説していきます。
共依存の特徴
共依存者の特徴は、主に以下のとおり。
・「必要とされること」を必要とする
・救済者になりたがる
・放っておけない
・常に自分は後回し
・現実を見つめることができない
これらの特徴を踏まえれば、依存者と共依存者が「加害者と被害者」ではなく、当人の間では「Win-Win」の関係であるということに気づくことと思います。
1つずつ順番に見ていきましょう。
「必要とされること」を必要とする
「必要とされること」を必要としている人は、「自尊心を保つために他人が不可欠」な人です。
いわば、「自分で自分を認められない人」とも言えます。
以下のチェックリストにあなたが当てはまっていないか確認してみましょう。
□頼みごとをされるとうれしい
□恋人を選ぶ基準は「自分が相手を好きか」よりも「相手が自分を好きか」
□常に誰かと一緒にいたい
救済者になりたがる
↑一見すると、とてもすてきな考え方です。
ですが、度を超すとよくない。
「人助けをしていないと充実感が得られない」となると、それは「人助けに飢えている状態」。
恋人を選ぶ基準が「なるべく不幸そうな人」になり、ただ幸せな状態を喜べなくなり、「マイナスをゼロに戻す」過程にしか喜びを見いだせなくなってしまいます。
チェックリストは以下のとおり。
自分があてはまっていないか確認してみましょう。
□つい人にアドバイスしてしまう
□↑そのアドバイスが実行されないと、イラッとする
□他人の世話を焼いているときが一番楽しい
放っておけない
「自分の課題」と「他者の課題」をごっちゃにしてしまっていませんか?
共依存者は、「相手の問題=自分の問題」ととらえてしまいます。
馬を水辺に連れて行くことはできても、水を飲ませることはできない。
(イギリスのことわざ)
自分と相手を心理的に線引きできないと、依存者に取り込まれてしまいます。
以下のチェックリストを確認していきましょう。
□困っている人がいると、気になってしょうがない
□パートナーが今どこでなにをしているか、気になってしょうがない
□「あの人は私がいなくてはダメになってしまう」と考えることがある
常に自分は後回し
自分が楽しくなったり幸せになることに、罪悪感を覚えることはありませんか?
自分の心の状態が悪くても、相手を怒らせないようにすることに必死になっていませんか?
共依存者は、「自分の幸せよりも、他人の幸せ」が合い言葉。
以下のチェックリストを確認しましょう。
□相手のささいな言動や行動をいちいち気にしてしまう
□相手が不機嫌そうだと、「自分のせい」と思ってしまう
□「自分さえ我慢すればいい」と判断することが多い
現実を見つめることができない
共依存者は、現実を歪めて認識してしまいます。
自分にとって都合の悪い事実は無視し、都合のいい解釈を作り出します。
(これを、心理学の用語で「認知的不協和の解消」と呼びます。)
共依存者は、以下の3ステップで認知を歪めます。
1.否定
…「別に私は気にしていない」
2.合理化
…「お酒ぐらい誰でも飲んでいる」
3.非現実的な期待感
…「そのうち自分からお酒をやめるはずよ」
ですが、そう簡単に依存者が変わることはありません。
依存者から離れてあげるのが、依存者が自立するための第一歩です。
以下のチェックリストを確認しましょう。
□つらくても、「愛しているから仕方がない」と我慢してしまう
□周囲から「別れた方がいい」と言われても、なかなか別れられない
□相手をかばって周囲にウソをつくことがある
共依存恋愛の具体例
冒頭で「アルコール依存症のパートナー」を例に挙げましたが、共依存恋愛のパターンは他にもあります。
・夢を語るヒモ
・DV男
・不幸な身の上話を語る女性に金銭的援助をしたが、結果別れを切り出される
上記のような相手との恋愛は避けるようにしましょう。
共依存者の恋愛サイクル
共依存者の恋愛には、特定のサイクルがあります、
それは以下のとおり。
①共依存者が回避依存者に惹きつけられる
②「熱に侵された」状態になる
③「救われた」と感じる
④より多くを要求するが、満たされたない部分も次第に出てくる
⑤自分をごまかすことが難しくなってくる
⑥ひきこもり
⑦恋人を取り戻す(改心させる)ために、妄想的な考えにとらわれるようになる
⑧妄想が実行に移される
⑨パートナーが戻ってくる、もしくは新しいパートナーを見つけることにより、1からまたサイクルを始める
1つずつ見ていきましょう。
①共依存者が回避依存者に惹きつけられる

「回避依存者」とは、パートナーを避ける傾向にある人を表す言葉です。
共依存者と回避依存者は、お互いに強く惹かれあう存在です。
②「熱に侵された」状態になる

共依存者にとって回避依存者は「理想の存在」。
「運命の人が現れた!」と熱に侵された状態になります。
回避依存者も共依存者が喜ぶポイントを抑えているので、「運命の人」の役回りを巧みに演じます。
③「救われた」と感じる

心の痛みから解放され、満たされます。
④より多くを要求するが、満たされたない部分も次第に出てくる

相手に求めるものが次第に大きくなっていきます。
しかし、回避依存者は「相手が大きな要求とともんみ迫ってくることを」強く恐れるので、逃げ腰になってきます。
この段階では、回避依存者の逃げの姿勢にも理解を示し、都合の悪いことは合理化して自分を納得させます。
⑤自分をごまかすことが難しくなってくる

相手のネガティブな側面がどんどん見えてきて、否定や合理化では真実にフタをすることができなくなってきます。
共依存者は回避依存者に対して抵抗を試みます。
抵抗手段は、「大声で要求を叫ぶ、怒る、泣く」など。
しかし、抵抗が実を結ぶことはほとんどなく、自分の心や体が傷ついていきます。
⑥ひきこもり

共依存者は、相手が理想の存在でなかったことを認めます。
共依存も依存の一種なので、依存対象がなくなったことによる苦しみにおそわれます。
この段階で適切な自助努力やサポートがないと、深刻なうつや自傷行為につながってしまいます。
苦しみから逃れるために、酒、買い物、ギャンブルなどの他の依存症に陥ることもあります。
⑦恋人を取り戻す(改心させる)ために、妄想的な考えにとらわれるようになる

この段階でパートナーに対する未練を断ち切れなければ、「〜すればいつか戻ってくるだろう」という妄想にとりつかれるようになります。
⑧妄想が実行に移される

パートナーを取り戻すために、何度も電話をかけたりします。
⑨パートナーが戻ってくる、もしくは新しいパートナーを見つけることにより、1からまたサイクルを始める

何らかの理由で相手が戻ってきたり、新しい相手が見つかると、また「世界はバラ色」状態になります。
しかし、気がつけばまた①から同じサイクルを繰り返すことになります。
共依存恋愛の地獄
共依存になると、以下のようなことになります。
・ストーカーになる
・ヒモ男との恋愛を繰り返す
・DV男と別れられない
・都合よくATM(金ヅル)として利用される
端から見れば、
となるのですが、当の本人は視野狭窄になっていて、自分の置かれている状況のヤバさに気づかない。
それでどんどんエネルギーを奪われていく。
共依存恋愛は、やはり危険です。
共依存恋愛の脱出法
共依存を脱出するための方法は以下のとおり。
・「自分は幸せになっていい」と何度も言い聞かせる
・心療内科にカウンセリングに行く
シンプルですが、この2つです。
共依存者は、自ら進んで不幸に向かってしまいます。
不幸な自分に酔っていることすらあります。
真っ正面から幸せになる勇気を持ちましょう。
個人的には、日本で流行る歌やドラマには、「不幸な恋愛を美しく描いたもの」が多いので、そういった作品を避けるのも大事かと思います。
知らない間に刷り込みされてしまうので。
あとは、自分で自分の幸せに気づくための習慣として、「3グッドシングス」という筆記テクを使うのもいいのではないかと思います。
「3グッドシングス」はその日あった「よかったこと」を3つ紙に書き出すというもの。
日常の小さな幸せに気づけますし、自分で自分を褒めるクセがつきます。
「3グッドシングス」について、詳しくはnoteで解説しています。
共依存チェックリスト
ここで、改めて共依存の特徴について確認しておきましょう。
□頼みごとをされるとうれしい
□恋人を選ぶ基準は「自分が相手を好きか」よりも「相手が自分を好きか」
□常に誰かと一緒にいたい
□つい人にアドバイスしてしまう
□↑アドバイスが実行されないと、イラッとする
□他人の世話を焼いているときが一番楽しい
□困っている人がいると、気になってしょうがない
□パートナーが今どこでなにをしているか、気になってしょうがない
□「あの人は私がいなくてはダメになってしまう」と考えることがある
□相手のささいな言動や行動をいちいち気にしてしまう
□相手が不機嫌そうだと、「自分のせい」と思ってしまう
□「自分さえ我慢すればいい」と判断することが多い
□つらくても、「愛しているから仕方がない」と我慢してしまう
□周囲から「別れた方がいい」と言われても、なかなか別れられない
□相手をかばって周囲にウソをつくことがある
…共依存的な価値観からは抜け出しましょう。
もしこのチェックリストにあてはまるところが多ければ、
・「自分は幸せになっていい」と何度も言い聞かせる
・心療内科にカウンセリングに行く
の2つを意識してください。
おわりに
共依存に陥ると、ともすれば「不幸な自分は尊い」という感覚になってしまいます。
不幸を肯定してしまうクセがつくと、そこから抜け出そうとしても、なかなか脱出できなくなってしまいます。
「自分が無理をしている」という感覚があれば、すぐに自分を休めてあげること。
共依存にハマらないためにも、まずはこの記事で紹介した共依存の特徴とループの恐ろしさを知ることです。