この記事は、『花束みたいな恋をした』を彼女と観に行って、気まずくなってケンカしたペンさんがお送りします。
あなたは、映画『花束みたいな恋をした』を観ましたか?
先日この映画を観に行って、「恋人関係がどのように終わっていくのか」について考えさせられるいいきっかけになりました。
というわけで今回は、『花束みたいな恋をした』から考える、恋が終わる原因についてお届けします。
主な内容は以下の3点。
・「好きなものが同じ」で始まった恋の脆さ
・「現状維持」はおわりのはじまり
・「2人の関係にすがりつく男」に惚れる女はいない
1つずつ見ていきましょう。
「好きなものが同じ」で始まった恋の脆さ
この映画の主人公である絹(有村架純)と麦(菅田将暉)は、「好きなものが同じであったこと」をキッカケとして、2人の距離を縮めていきます。
いわゆるサブカル好き同士で、次のようなものがお気に入りでした。
【作家】
・今村夏子
・いしいしんじ
・堀江敏幸
・柴崎友香
【お笑い】
・天竺鼠
麦の部屋の本棚を見て、絹は、
とつぶやくほど、趣味が似ていました。
好きなものを通して、2人は距離を縮め、付き合うようになりました。
しかし、麦がややブラックな企業に就職して仕事にのめり込むようになると、関係にヒビが入るようになります。
麦が本屋で手に取るのは「小説の単行本」から「自己啓発本」に変わりました。
2人で同棲している家に帰宅しても、麦はずっとノートパソコンとにらめっこしながら仕事を続けています。
小説や演劇などの「文化的な趣味」に対して次第に興味がなくなり、仕事を最優先するようになります。
多忙から目が死に、「パスドラしか楽しめない状態」になり、絹と趣味の時間を共有できないようになってしまいました。
言葉のすれ違いが増え、昼も夜もコミュニケーションが減っていく。
結果として2人は破局してしまいます。
この映画から学べるのは、「好きなものが同じで始まった関係は脆い」ということです。
理由は次の2点です。
・「好きなもの」が変われば、すれ違いが増えるから
・「好きなもの」は年齢を重ねるにつれて少しずつ変わっていくから
好きなものが小説で始まった関係なら、片方が小説を好きでなくなった時、コミュニケーションの回数は減っていきます。
「好きなものが一緒だから」ということで始まった交際は、長期間続けることが難しい。
では、どんな関係が理想なのか?
ぼくが思うに、それは以下のとおり。
「自分にはないけど相手が持っているもの」を好きなことから始まった関係
上記のとおり。
この関係なら、お互いが「我が道をゆく」状態であっても、疎遠になりません。
むしろ、お互いの長所や興味を突き詰めるほど、お互いの尊敬と愛は深まっていきます。
たとえば、「周囲と協調的な女性」が、「自分の得意なことを突き詰める人生を生きる男性」を好きになったり。
はたまた、「バリバリ仕事をしている男性」が、「癒しをもたらしてくれる女性」のことを好きになったり。
こんな感じで、「趣味が一緒」よりも「自分には持っていない相手のこういうところが好き」っていうカップルの方が、長続きしやすいんじゃないかな〜と僕は思います。
「現状維持」はおわりのはじまり
ベランダで2人で外の景色を眺めながら、麦が
と言うシーンがあります。
このセリフを聞いた瞬間、
「あ、この2人終わった」
と思いましたね。
このセリフがまずいのは、以下の点です。
・ただでさえ稼ぎが少ないのに、加えて向上心がない
・現状は維持しようとすると下り坂になる
「女性を魅了する」にも、「2人の関係を続ける」にも、「家族になったときに暮らしを守る」にも、稼ぎは必要です。
にもかかわらず、ヌルすぎるこの発言。
この発言に対して絹が落胆するような描写はありませんでしたが、大抵の女性はここでイエローカードを出しているはず。
また、現状を維持しようとすると、現状以下の結果しか出ません。
テストで100点をねらっていれば90点を取れるかもしれませんが、90点ねらいだと、よくて80点台しか出ないでしょう。
向上心がないと、現状はどんどん下降していきます。
映画でも、2人が「厳しい現実に打ちのめされるシーン」がいくつも出てきます。
ただ、スキルをつけてホワイト企業に転職するとか、ココナラのようなクラウドソーシングで麦のイラストをうまく収益化するとか、やりようはいくらでもあったはず。
しかし、「現状維持志向」により、2人の関係はゆっくりと終わりに向かうことになってしまいます。
「2人の関係にすがりつく弱い男」に惚れる女はいない
映画の終盤では、2人は完全なる倦怠期を迎えます。
そして、お互いに「ちゃんと別れなくちゃダメだ」となり、付き合う前に2人で行ったファミレスで別れ話になります。
そこで、麦は
と絹に懇願します。
ですが、絹はあくまでドライに
とあしらいます。
断る女性に必死で男が頭を下げて関係維持を申し出る姿が、なんともかっこ悪かった。
恋人関係では、基本的に男性が主導権を握っていなければなりません。
理由は、女性には「男性にリードされたい欲求」があるからです。
女性は「格下」「尊敬できない」とみなした相手に対し、音速で見切りをつけます。
男であれば、女性の下手に出るような情けない姿は見せてはいけません。
おわりに
・「好きなものが同じ」で始まった恋の脆さ
→生きていれば、「好きなもの」は変わっていく
・「現状維持」はおわりのはじまり
→向上心がなければ下降線をたどる
・「2人の関係にすがりつく男」に惚れる女はいない
→恋人関係では、基本的に男性が主導権を握っていなければいけない
『花束みたいな恋をした』の監督は、ある若者のInstagramのアカウントを長期間観察して脚本をつくったそうです。
あまりないくらいリアルで、平凡な、男女の恋の始まりから終わりを描いた作品です。
リアルで平凡だからこそ、作品で描かれた「別れの原因」から学べることがあります。
そんな視点から、映画を観てみるのもおもしろいですよ。
この記事のなかで触れた「男が主導権を握ることの重要性」については、こちらの記事で詳しく解説しています。
「女性にナメられがちな男性」には必見の内容となっています。
ぜひご覧ください。