「愛されボディ」、「愛されメイク」、「愛され男子」、「愛され女子」…。
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あなたは誰かを「愛したい」ですか? それとも「愛されたい」ですか?
実は、「愛したい」という考えが強い人と、「愛されたい」という考えが強い人のどちらが幸せかを調査した心理学研究があります。
大阪府にある相愛大学の人文学部人間心理学科、金政祐司氏(2005)の研究をご紹介します。
今回はこの研究についてご紹介するとともに、恋愛に対する考え方について考えるきっかけにしていただければと思います。
対象者

近畿圏にある4つの大学の学生、合計393名が対象。
そのうち、男性は181人、女性は212人です。
予備調査〜項目の収集〜
本項目に使う質問項目を決めるため、予備調査を行いました。
大学生の男女51名に、「愛されたい」、「愛したい」、それぞれの動機・欲求を知るための文章を考えてもらいました。
例えば、こんな感じ。
「愛されたい」
・好きな人からは「愛してる」という言葉を聞いていたい。
・常に誰かに愛されていたい。
「愛したい」
・私は心から相手のことを愛したいと思う。
・好きな人とは悦びや楽しさ、つらさなど色々な感情を共有したい
結果、「愛される」は149個、「愛したい」は129個の文章が出てきました。
そこから似たような項目をまとめていくと、「愛されたい」「愛したい」それぞれ12項目、計24項目の文章まで絞り込まれました。
ここで作られた「愛されたい」「愛したい」に関する文章を、本調査の質問項目として使っていきます。
実験の流れ
以下の3ステップ。
①対象者に、予備調査で作った「愛されたい」「愛したい」の項目に自分がどの程度あてはまるかを、「全く当てはまらない=1」〜「非常によくあてはまる=7」の7段階で判定してもらう。
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②対人関係に関する質問に、自分がどの程度あてはまるかを7段階で判定してもらう。
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③精神的健康状態を測定するテストを受けてもらう。
この結果から、「愛されたい度」と「愛したい度」の高さが精神的健康状態とどのような関係があるのかを分析しました。
結果

「愛したい度」が高いほど、精神状態は健康でした。
逆に、「愛されたい度」が高いほど、「不安と不眠」「社会的活動障害」「うつ傾向」の度合いが高く、つまりは精神的に不健康でした。
まとめ:「愛する」の割合を増やすと幸せになる
この結果から、「「愛されたい」という気持ちを捨てろ!」と言いたいわけではありません。
「愛したい度」と「愛されたい度」には相関関係があり、つまり、どちらかが高い数値であれは、片方も高い数値にある傾向が見られています。
要は、割合の問題なのです。
どちらも、恋愛においては必要な感情です。
みんな、愛されたいし愛したい。
愛したいと思う割合を、愛されたいと思う割合より少し大きくすればいいのです。
とはいえ、
という方は、1日の終わりにその日の自分を褒める習慣を作って見てください。

この研究では、自分に自信があり、対人不安が少ない人ほど「愛したい度」が高くなるということがわかっています。
自信をつけて愛を持って人に接する習慣をつけるためにも、自分で自分を褒めてあげてください。
