あなたも、女の子を自由自在に笑わせてモテたくありませんか?
ということで本記事では、『なぜあの人のジョークは面白いのか?: 進化論で読み解くユーモアの科学』を要約していきます。
本書のポイントは、ユーモアの正体に科学的に迫っている点。
著者はエディンバラ大学の進化生物学研究所教授。
1人のお笑い芸人が語るテクニックとかではなく、実際の研究や調査をもとにか書かれています。
なので、どんな人が読んでも効果的。
この本でしか読めない貴重な知識が満載だよ!
さっそく、結論である「ズバリ、どうすればウケるのか」から見ていきましょう。
ズバリ、どうすればウケるのか
この本が読みたい人が知りたいのは、「どうすればウケるのか?」ですよね。
結論から言えば、
「不調和」と「解消」
↑が笑いを生み出すメカニズム。
上記について詳しく見ていくとともに、「ウケるための事前準備」も併せてお伝えしていきます。
ポイントは、「不調和」と「解消」
あらゆるユーモアに共通していそうな1つの特徴が浮かび上がってくる。それは不調和という要素である。フリとオチが別々の方向を向いていて、その不調和がめちゃくちゃなロジックで解消されるということだ。
『なぜあの人のジョークは面白いのか?―進化論で読み解くユーモアの科学』より
「不調和」とは、どういう意味でしょうか。
辞書を引くと、次のとおり。
つまり、「違和感」ですね。
その違和感が解消されることで、笑いが生まれるということです。
僕たちの脳内では、
・違和感を検知する部位
・違和感を解消する部位
・面白さを感じる部位
が神経回路でつながっています。
これらの部位が全て刺激されたあと、身体に信号が伝わり、「笑う」という運動につながります。
…と理屈だけ言ってもわかりにくいですよね。
実例として、「すべらない話」と「漫才のつかみ」から学んでいきましょう。
不調和と解消の例
まずは、次の動画をご覧ください。
(2分程度です)
兵動大樹さんのすべらない話、「カップルの会話」。
たった2分間に、「不調和と解消」のロジックが詰め込まれています。
この話でいう不調和は、「プレゼントをもらった男が急に怒り出したこと」。
解消は、「滑舌が悪くて聞き間違えられていたとわかったこと」。
中盤で生じる不調和に、聞き手はモヤモヤを感じます。
そして、オチで序盤のフリを活かしつつ不調和がスッキリ解消される。
思わず笑ってしまいますよね。
ちなみに、冒頭の男の声マネで笑いが起きているのは、「優越感を抱かせるユーモア」。
イギリスの哲学者トマス・ホッブズは、「ネタにされている人よりも自分のほうが優れていると気づいて「突然優越感を抱くこと」、それが笑いだ」と語っています。
さらに瞬発的なもので言えば、「漫才のツカミ」がわかりやすい例。
「ツカミ」とは、漫才で最初に笑いが起こるパートのこと。
下の動画をご覧ください。
ボケが不調和を起こし、ツッコミが解消しています。
ウケるための事前準備
ジョークの内容も大事ですが、「よりウケやすくなるための事前準備」もあるのでご紹介します。
それは、以下の2点。
・場を温める
・ユーモアだとわかりやすくする
1つずつ見ていきましょう。
場を温める
お笑いライブやバラエティ番組では、本編の前に「前説」というものがあります。
本編に出ない若手芸人が、お客さんに対して「注意事項の説明」とか、「声出し練習」や「拍手の練習」をして、会場の空気を温めます。
いわゆる「前座」ですね。
僕はこれまで50回以上お笑いライブに足を運びましたが、必ずと言っていいほど前説がありました。
なぜ前説が必要なのかと言うと、「場の空気」が温まるとウケやすくなるからです。
どんなコメディアンも、場を温めることが大事だとわきまえている。気分が盛り上がれば盛り上がるほど、次のギャグを聞いたときに笑いたくなってしまう。
『なぜあの人のジョークは面白いのか?―進化論で読み解くユーモアの科学』より
気の利いた会話で笑わせようとする前に、まず楽しいホカホカした雰囲気をつくるのが大事ということですね。
ユーモアだとわかりやすくする
「冗談なのかマジなのかわからない」
↑これ、僕が若いころによく注意されました。
「ボケを真顔で言うのがおもしろい!」と思ってて、相手に伝わらないことがしょっちゅうあったんです。
真顔でジョークを言う等、聞き手がユーモアだとハッキリ認識できないと、「笑っていいのかわからない」と思われてウケません。
ユーモアを理解するには、それがユーモアであることをはっきりと認識することが重要である。
『なぜあの人のジョークは面白いのか?―進化論で読み解くユーモアの科学』より
お笑い番組で真顔でボケて笑いを取る芸人がいますが、あれは「お笑い番組」という前提と、腕利きのツッコミがそばにいるから笑えるのです。
日常会話でそれをやると、「面白いことをやる場所」という前提が抜けているので、聞き手が戸惑ってしまいます。
ヘタをすると、「変人」「ちょっと頭おかしい人」と思われかねません。
ジョークを言うときは「誘い笑い」や声の調子を変える等、ユーモアであるということが伝わりやすくなるという工夫が必要ですね。
「誘い笑い」とは、主にお笑い芸人が用いる手法で、ボケた人間が自ら視聴者に先んじて笑うことで笑いをとる行為。
ユーモアはどれくらいモテに影響するのか?
結論から言えば、ユーモアがあるほどモテやすくなります。
それを示す研究結果が以下のとおり。
ユーモアが高いほどセックスに持ち込める
Greengross, G. & Miller, G.(2011)が行った、心理学を受講する大学生を対象にした研究によると、以下のような結果が出ています。
セックスにまで持ち込める度合いとユーモア力との間には相関がある
また、フランスのGuéguen,N.(2010)がバーで行った実験では、以下のような結果が出ています。
ジョークを言った男性は、言わなかった男性に比べて、2倍の割合で女性から電話番号を聞き出せた
ちなみに、上記の実験で男性が言ったジョークはかなりつまらないものでしたが、それでも有効だったようです。
女は男よりも異性にユーモアを求める
異性にどれほど「おもしろさ」を求めるかは、男女によって異なります。
53カ国の計20万人以上を対象としたインターネット調査で、「男女は異性のどのような特徴を重視するのか」がわかりました。
男女が持つ23の特徴(外見や知性等)のうち、重視するポイントのトップ3は、男女別で以下のとおり。
1位:知性
2位:容姿
3位:ユーモア
1位:ユーモア
2位:知性
3位:誠実さ
女性は男性よりも会話中によく笑います。
また、お笑いライブの会場にいるのは9割が女性客。
女性がユーモアを求めていることが改めてわかる結果になりました。
なぜ、ユーモアがあるとモテるのか?
では、なぜユーモアがあるとモテるのでしょうか?
その理由は下記のとおりです。
・知性のアピール
・ユーモアで親密になる
知性のアピール
ユーモアがモテにつながる一番大きな理由は、「優れた知性のアピール」になるから。
その場に応じて瞬時に笑えるユーモアが言えることは、「頭の回転の速さ」を女性にアピールできます。
笑いの役割は生き延びることや身を守ることではなく、自分をアピールして異性を惹きつけることだ。そこで鍵となるのが性選択である。ユーモアは、自分に魅力的なウィットがあることをアピールする手段なのだ。
『なぜあの人のジョークは面白いのか?―進化論で読み解くユーモアの科学』より
ユーモアのある会話のことを「ウィットに富む」と言いますが、これは具体的にどう言った意味なのでしょうか。
辞書を引くと、以下のように表されていました。
機知、頓知(とんち)、才知。
ウイットとは本来知力のことだったが、イギリスにおいて17世紀ごろから、当意即妙な発想を意味するようになった
すばやく、その場に適応した機転をきかすこと。
【「ウィットに富む」とは?】
知的で気の利いた発言が当意即妙に出てくるようなさま、思わず感心するような知的レベルの高い応答が咄嗟に出てくるさま、などを評していう表現。
「機知に富む」ともいう。
たとえば、言い得て妙かつユーモアに溢れた比喩が多く用いられる会話などは「ウィットに富んだ会話」と評価し得る。
つまり、「瞬発的にその場に応じて面白いことが言える」ということですね。
笑いで親密感がつくれる
2004年に心理学専攻の学生100人を対象に行われた研究では、「ばかげた課題に取り組んで一緒に笑った2人1組のペアは、真面目な課題に取り組んだペアよりも明らかに親密になった」という結果が出ています。
デートで2人が笑い合う体験は、親密度を高め、男女の関係を進展させる下地になると言えそうです。
モテないユーモア
恋愛でユーモアを発揮するには、「使用上の注意」をしっかり把握しておきましょう。
「ウケ」と「モテ」を両立させる必要があるからです。
「モテないタイプのユーモア」ばかり使っていると、
笑わせるだけ笑わせて、男として見られない
という悲しいピエロになりかねません。
モテないのは「自虐的」ユーモア
自虐的ユーモアは避けましょう。
本書に掲載されていた自虐的ユーモアの例は下記。
この前、女の子が電話を掛けてきてこう言ったんだ。
「うちに来て。誰もいないから」。
行ってみると本当に誰もいやしなかった。ロドニー・デンジャーフィールド|アメリカのコメディアン
自分が笑いものになってはいけません。
本書には、「自虐的ユーモアは2流コメディアンのやること」と書かれています。
自虐的ユーモアを使うと自分の価値が下がってしまいます。
先輩の前で後輩らしさを発揮するときにはいいですが、女の子の前では自虐は控えましょう。
モテるのは、ネガティブをポジティブに変換するユーモア。
下記のジョークは、60分間で客を499回笑わせてギネスに認定されたコメディアン、ティム・ヴァインのもの。
今日、誰かが俺の運転を褒めてくれた。フロントガラスに小さいメモが挟んであったんだ。そこには”Parking Fine”って書いてあった。嬉しかったよ。
[訳注「駐車違反の罰金」という意味だが、「駐車がうまい」とも読める]ティム・ヴァイン|英国のコメディアン
一緒にいて楽しい雰囲気になるジョークを言いましょう。
聞き手にとって常に新鮮なユーモアであれ
一度ウケたからといって、同じことを何回も聞かせてはダメ。
飽きると笑えなくなります。
笑いを誘うものはすべて、新しくて予想を裏切るものでなければならない
トマス・ホッブズ|イギリスの哲学者
おいしい焼肉も毎日食べると飽きますよね。
それと同じ。
同じ人に同じジョークは1回までにしておきましょう。
おわりに
ユーモアの基本は、「不調和と解消」。
少し不安にさせて、安心させる。
女の子の感情をゆさぶるのはモテる会話の王道です。
ユーモアの基本もモテに通ずるところがあると気づき、勉強になる1冊でした。
女の子を笑わせるユーモアを磨く方法は2つ。
①ジョークのストックを増やす
②実践しまくる
日常会話でよく出る話題から、ジョークを考えておきましょう。
たとえば、天気、服装、出身地…
スマホのメモにストックを溜めておくといいですね。
そして、それを実践で試しましょう。
この2つを意識すればユーモアが磨かれ、デートで女の子と一気に親密になれますよ。
ぜひ読んでみて。
